2017-07-29

電線

電線に乗れたら、日本中、旅ができる。少しビリビリするけど。




2017-07-15

ドラッグストア

All You Can Buy





宮台真司さんの書籍で「人は、消費財に囲まれて癒される」という事に気づかされたが、ドラッグストアを見かけると、まさにその通りに実感する。

ドラッグストアは、薬品を売るだけではない。食品や雑貨や、消費財を露出し、訪れる人々を癒しているのだ。


もう慣れてしまったが、ドラッグストアの店内は異様な光景だ。

煌々と明るい照明、
テンションの高い店内放送、
薬事法を意識した「意味がわかるようで、わからない」キャッチコピー。
自己啓発書か、宗教のセミナーみたいだ。

これが、中毒性が強い。用事もないのに立ち寄ってしまう。まさに、ドラッグ。



外国からの観光客がドラッグストアで大量購入しているのを見て、私たち住民は冷ややかな目を向けているけれど、何のことはない。

初めてドラッグを味わったら「もっと、もっと」と求めてしまうのは、自分の身にも覚えのある事だ。

ドラッグの常習癖のある者が、初めて試した者のテンションの高さを笑っているだけで、同じ穴のムジナなのだ。

2017-07-08

駅のホームドア

これだけの高さで防止できる自殺。



 最近、ホームドアが設置されている駅が増えてきた。思わず転落してしまうのを防止するだけでなく、意図して飛び込む人も抑止している。JR山手線では、人身事故(つまり転落事故と自殺の両方を含む)の件数が明らかに減っている。

たった、これだけの高さのホームドアがあるだけで自殺を食い止めることができるのだ。


 駅のホームで自殺に至る人は、「仕事に行かなきゃ」というプレッシャーで家を出て駅まで来たものの嫌でしょうがない、という人だ。嫌でしょうがないけれど、今日休むと何言われるかわからないし、クビになるかも知れない。

クビになったら、もう明日からすぐ、生活がどうにかなってしまうかも知れない・・・と思いを巡らす、頭の良い人だ。

そんな悲観的な人は、ホームドアがあるだけで「ああ、これじゃ飛び込めないじゃないか」と諦めるらしい。


 いや、冗談じゃない。自殺に至る心理というのは悲観的なものだ。だから、自殺を食い止めるのも、その悲観的な心理に訴えるべきなのだ。ビルの屋上には「この高さじゃ死ねない」と貼紙をしようぜ。



 そもそも、自殺を食い止めるべきか、という問題はある。生きるのも死ぬのも、個人の意思でどうにかなるもんでもない。死ぬしかない時は、ある。

フリーペーパー「ポンコツ新聞」でネタにしたけれど、世界中で年間80万人の自殺がある。そのうち、日本では3万人以上。「日本人は自殺しやすい」というのは数字に表れている。日本人は遺伝的にセロトニンが弱い、という研究も読んだことがある。

セロトニンの弱さ、つまり悲観的な性質は、勤勉さや真面目さといったポジティブな面にも効いているんじゃないか。その反面、思い詰めて死を選ぶ人がいる。


 死を選ぶのは自由だけど、手段や経緯によっては、遺族や周りの人の迷惑なのよ。だから、もういっぺん書くけど、ビルの屋上には「この高さじゃ死ねない」と貼紙をしようぜ。

2017-07-02

ポンコツ新聞、撒き始めました。

 フリーペーパー「ポンコツ新聞」の新しいのを刷り終わって、設置いただけるお店に配り始めた。





 写真のものを含めて、今回は4種類をいっぺんにネタを作って、描いて、刷って、設置する、というのを試みた。

設置をお願いしているお店にも、4種類をいっぺんに少量ずつ置いていただいている。

同時並行で制作することで、効率はだいぶ良かった。「面倒くさい部分」が圧縮されて、よい感じ。原稿をスキャンするとか、試し刷り、校正、印刷、郵送など。


ポンコツ新聞は不定期刊で年間6本を目標にしていたけれど、2017年分は達成した。

この後の期間は、ドン・キホーテの翻案と、音と動画の制作に充てる予定。

2017-07-01

休日の夕方、駅員のおじさん

 夕暮れ時のアナウンスが一番楽しそうだ。





 休みの日の夕方、映画を観に出かける時に見る風景だ。

駅員のおじさんの挙動が、平日の通勤ラッシュや混雑時と違う。

駅員のおじさんは、電車を長く、目で追う。指差し確認の動作が優雅にすら見える。アナウンスの声はトーン低く、節回しも遅い。



 サバンナにいる、ライオンの仕草を思い出す。

交通インフラを支える仕事をしている、「何もしていないように見えても、私は群れを司っているんだよ」という誇りのあらわれだろうか。