2017-12-16

インスタグラムは貝塚

 今年は、アウトプットの物量に目標を立てた。目標とは無関係にハマって捗ったのが、写真。

Pen FVを持って散策するのが楽しい。載せても載せても足りないくらい撮り溜めている。紙焼の写真を、もう一度撮るのも面白い。写真は気取らず撮って出していくのがよい。

インスタグラムは「撮って出す」快感をあたりまえにしてくれたのが最高。以前ツイートしたとおり、インスタグラムを浅ましい承認欲求と結びつけて理解するのはもったいない。


インスタグラム以前、以後で写真の撮り方が変わった。以前だったら撮らなかった写真がたくさん撮られてきた。これはすごい文化資産、資料だ。過渡期を過ぎれば、人類の撮る写真のほとんどが集積する文化遺跡として、味がでてくる。人類が滅んだ後の考古学的にも貴重な資料だ。

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2017-12-09

音楽制作は、計画的に

 今年は、アウトプットの物量に目標を立てた。目標を立てたおかげでフリーペーパーの発行は捗ったわけだけれど、捗らなかったのが音楽。

目標は低めに、3曲作りたいと思っていたのだけれど、今のところ成果は2つ。

  

敗因は、

  • 楽器や機材のメンテナンス不足で、いざという時に使えない
  • 作りたい曲に必要な楽器が手に入らない

「リンゴNo.3」という曲は、ホントはちがう機材で録りたかった。曲ができて、よし録ろうと思った時に機材が動かなかった。たまたま同時期にひっぱり出してた昔のカセットテープMTRの音が面白かったからそのまま完成にしたけれど、「常に作る」を続けていない不便をこうむった。

いっぽう「タクシードライバー」という曲は気に入っている。カセットテープMTRで作ったキックが面白い。崎陽軒のシュウマイ弁当みたいに、好きなオカズがコンパクトに詰まっている。映像に使った写真も好きだ。

ホントはもう1曲、作りたい曲があるのだけれど、楽器が買えなかった。音楽って「あの音を使いたい」って思いにハマるとお金がかかって仕方がない。その点、絵を描くって遊びは、まったく何にもいらない。凄い。

 音楽に関しては、来年は「定期的に制作する」という目標を立てよう。

2017-12-04

墨を乾かす間に

ポンコツ新聞11号以降をまとめて制作中。下書きと墨入れが終わったのが十数枚。墨を乾かしている間に、既刊を整理した。

今年作ったポンコツ新聞のうち4号を電子書籍にまとめた。お店や喫茶店、映画館に設置した分は捌けて、もう手に入らない模様。12月22日(金)17時から短期間amazonで無料配布する。



竹熊さんの投稿Mavoにも、ひとつ載せていただいた。
http://toko.takekuma.jp/viewer.php?mangaid=899


2017-12-02

フリーペーパーをまとめて制作するということ

 今年は、アウトプットの物量に目標を立てた。そのなかで特に大事にしたのが、フリーペーパーを6号発行すること。これは「ポンコツ新聞」を1月に2号、6月に4号発行して達成できた。配布場所も増やして、各号数百部配った。

複数号まとめて同時進行で制作、配布するのはいいアイデアだった。初めては1号だけ作ったほうがよいけれど、2号目以降は同時進行が絶対によい。

その理由は、

  • 制作の面倒なところを一回に集約できる
  • アチラでできなかったネタがコチラで使える
  • ネタのバランスや配置を考えるのが面白い
  • 配布場所への設置の手間も省ける


コスト削減という点では特に、面倒な作業にかかる時間を集約できたのが嬉しい。単純に、原稿に消しゴムかけるのも、スキャンするのも、データを加工するのも、印刷用にデータを整形するのも、いっぺんにまとめてできる。1号ずつ作っていたら、きっと6号発行する目標は達成できなかった。

愉しみという点では、各号の内容の違いが気分転換になったのが嬉しい。「ポンコツ新聞」はひとくちサイズだから、毎日同じ料理を作るストイックさよりも、毎日ちがうメニューを作る多彩さのほうが相性がよい。1テーマを掘り下げるZINEを作る方にとっては、どっぷりハマる作り方が相性がよいのかもしれない。


 フリーペーパーの制作目標が達成できて上機嫌だったのだけれど、また作ることにした。しかも大量に。これから取捨するかもしれないけれど、今は16号分のネタがある。しかも、実は2バージョンずつ制作しようとしているので、実質32号分だ。


 今やろうとしているのは、
・十数号分をまとめて描いて、電子書籍にする
・同じネタの実写版を撮って描いて、十数号のフリーペーパーにする
という計画。


 シングルを2、3枚出した新人が、ミニアルバムを経て、2枚組にとりかかる気分。と言うと、無謀な感じがする。無謀な試みが失敗するなら、それも今後、このブログに記録する。

2017-11-18

2017-10-28

電車の線路

カラスは、もういない。人間を見捨ててどっか行ってしまった。


2017-10-14

窓の数だけ、外を見たい欲求と、カーテンを閉めて秘めておきたい自意識がある。


2017-09-23

きりん

「横に長い」という見方もある。


読書感想文「Everybody Lies」



Seth Stephens-Davidowitz著の"Everybody Lies"を楽しく読了した。

一言で言うと、ヤバい経済学のビッグデータ版。おれにとっての結論は「ビッグデータとは、おばあちゃんの知恵である」。具体的に言うと2点がおばあちゃんに似ている。
(1)大数の法則には従うが、個別の事象の予測はできない。
(2)一生懸命分析した結果、直感と食い違わない(つまらない)結論が導かれることが多い。

データの面白さ


Google検索トレンドをデータソースとしている点が新しい。他にも研究論文や政府統計、Pornhub(世界最大のポルノサイト)のデータが扱われている。他の記事でもPornhubのデータを目にするので、ビッグデータも「アダルトが最新技術を発展させる」が成り立っているようだ。

Google検索がデータとして面白いのは「アンケートなど質問紙調査と違い、回答者が正直に行動するインセンティブがある」という点。アンケートに正直に答える理由はないが、自分の欲しい情報にたどり着くためには検索窓に明確に入力する必要がある。

例えば、人種差別主義者は、アンケートで「あなたは人種差別をしますか?」と聞かれた時にYESとは答えないかも知れないが、欲しい情報を得るためにGoogle検索では自分の志向を露呈する。

これまでデータで捉えられなかった人間の暗部が見えることが面白くもあり、気が滅入る部分でもある。例えば、人種差別犯罪が起きた時、オバマが感動的な演説をした。その直後に、Google検索トレンドでは人種差別を逆撫でしている事が判明したり・・・

逆に、Google検索がデータとして弱いのは「行動そのものの観察でない」点。偶然の相関と区別が難しい。この本も、ところどころ推論に飛躍がある。
例えば、アメリカの団結の強さを"The United States are"と"The United States is"という異なる文法表現で測ろうとしたり。人種差別に関する検索からHip-hop(黒人の蔑称を多用する)の歌詞検索を間引く方法が杜撰だったり。

人間は、ビッグデータを正しく扱える?


今後、IoTセンサーが発達すると、より人間の行動そのものに近いデータを分析できるようになる。人間がそれを正しく扱えるか?

(1)大数の法則には従うが、個別の事象の予測はできない。

が原則になりそうだ。例えば、ある地域で、犯罪発生と高い相関関係のあるデータが採取できたとする。そのデータに基づいて、警備を増強するのは正しいが、犯罪予備軍を個別訪問するのは(よほど暇でない限り)正しくはない。

SiriやAlexaの英語が流暢な理由


この本の主旨ではないのだが「対話形式でGoogle検索する人が多い」という単純な驚きがあった。Google.comでの検索結果が主なデータソースなので、英語ならではの特徴なのか?

どういうことかというと、だいぶ前に「夫 嫌い」「妻 誕生日 プレゼント」という検索候補が日本で話題になった。日本語でGoogle検索する時って、名詞をスペースで区切ってand検索するケースが多い(と、私は思っていた。)

けれど、この本に出てくる検索ワードは「I hate my husband」や「Why do I hate my husband」のような文章が多い。まるで、Googleと対話するようだ。笑ったのが、「Is my penis small」という検索の多さ。それは、Googleに聞いてもわからんだろう。

こういうデータが、人工知能研究に貢献したんだろう。SiriやAlexa、Google音声検索の英語が流暢なのも、こういった検索データの蓄積が理由なんだ、と腑に落ちた。

単純にオモシロイ分析結果もたくさん載っているので、お勧め


雑談のネタにもなる。
たとえば、

  • 男女の初回デートでの言動で、2回目のデートがある/なしと強く相関するもの
  • 借金を返す人がよく使う言葉、返さない人がよく使う言葉
  • カジノが、常連客をリピーターにする方法
  • 競走馬の強さと、その身体的特徴の相関

英語の勉強のつもりで読んだけど、文章が読みやすくて、英語リハビリにぴったりでした。



"Everybody Lies Big Data, New Data, and What the Internet Can Tell Us About Who We Really Are"
Seth Stephens-Davidowitz著
DEY.ST.

そういえば、風俗店の文章を分析した、頭のよいオモシロイ人もいましたね。
デリヘル嬢の「お店からの紹介文」を計量分析してガチで読む①

2017-09-09

この家、角にステレオを置いたらよく響きそう。隣三軒まで。


2017-08-20

男がピクる時 モノの顔の巻

 人間は、他人の顔色をうかがって行動するようにできているらしい。∵と、点が3つ打ってあれば、そこにキョトンとした顔を見る。

顔を見つけるのが早い。この早さは、生存のための動物の本能だろう。物陰から自分を狙う天敵の顔を察知する。そんな能力の高い個体が生き残り、たくさん子孫を残した。だから、人間が「他人の顔色をうかがう」のは自然なことだ。

こどもが「ボールが痛いと言っている」などと言って周囲に微笑を与えることがある。あれは「顔や表情を見つける」のが本能的なものである証じゃないかな。あるいは、あの幼さにして「これは大人にウケる」と思っていたなら、それこそ「大人の顔色をうかがう」というものだ。

 「あいつは他人の顔色ばかりうかがって」という悪口を言いたくなる時がある。しかし、その悪口は実のところ褒めてしまっているわけだ。どうせ褒めるなら、「あいつは生存能力が高い」と言うのが吉。

えっ

現代の、ハチ公

自転車のカメラ目線

男がピクる時 池袋の巻

 男の眼は、女についていない。まったく違うものを見て、感じている。街を歩いていても、そうだ。そのことを写真と言葉で見せる。


池袋は人が行き交う、にぎやかな街だ。かつ、居心地がよい。なぜかというと生活臭があるからだ。他の繁華街とはちがう。生活臭を隠そうともしないのか、隠しきれないのか、わからないが、池袋は少しクタびれている。ちゃんと陰がある。




待ち合わせの時、他の街だったら「お待たせ、元気だった?」と言うところを、池袋だったら迷わず一言目に「おつかれさま」が出る。「おつかれさま」が似合う街。だって、そりゃ疲れるから遊ぶんでしょ。

池袋を人に喩えるなら、きれいな服着てるけど目の下にクマがある、とか。さわやかな笑顔で応対しているけれど、拳を握りしめている。顔は整っているのに食べ方が野性的、とか。そういう魅力がある。

言っておきますが、こういう凹んだ部分は惜しいのではなく、オイシイのです。池袋もそんなところが魅力的。空気がはりつめていなくて心地いい。疲れていても、街になじんでちょうどいい。


池袋といえば、疲れを癒すビジネスホテルも多い。ラブホテルも。

ラブホテルの「休憩〇千円」って、何なんですか。どうせ休憩なんかしないくせに。それを休憩と呼ぶ、奥ゆかしさ。休んでないのに「休憩」なんて言うから、クタびれちゃうんですよ。


こんなところで、ほんとに休憩するんですか。

2017-08-19

石像

「何か私、悪いことした?」と思いながら生きている。


2017-08-05

鳩とオジサン

近所の目を盗んで、こっそり鳩にエサをやるオジサン


2017-07-29

電線

電線に乗れたら、日本中、旅ができる。少しビリビリするけど。




2017-07-15

ドラッグストア

All You Can Buy





宮台真司さんの書籍で「人は、消費財に囲まれて癒される」という事に気づかされたが、ドラッグストアを見かけると、まさにその通りに実感する。

ドラッグストアは、薬品を売るだけではない。食品や雑貨や、消費財を露出し、訪れる人々を癒しているのだ。


もう慣れてしまったが、ドラッグストアの店内は異様な光景だ。

煌々と明るい照明、
テンションの高い店内放送、
薬事法を意識した「意味がわかるようで、わからない」キャッチコピー。
自己啓発書か、宗教のセミナーみたいだ。

これが、中毒性が強い。用事もないのに立ち寄ってしまう。まさに、ドラッグ。



外国からの観光客がドラッグストアで大量購入しているのを見て、私たち住民は冷ややかな目を向けているけれど、何のことはない。

初めてドラッグを味わったら「もっと、もっと」と求めてしまうのは、自分の身にも覚えのある事だ。

ドラッグの常習癖のある者が、初めて試した者のテンションの高さを笑っているだけで、同じ穴のムジナなのだ。

2017-07-08

駅のホームドア

これだけの高さで防止できる自殺。



 最近、ホームドアが設置されている駅が増えてきた。思わず転落してしまうのを防止するだけでなく、意図して飛び込む人も抑止している。JR山手線では、人身事故(つまり転落事故と自殺の両方を含む)の件数が明らかに減っている。

たった、これだけの高さのホームドアがあるだけで自殺を食い止めることができるのだ。


 駅のホームで自殺に至る人は、「仕事に行かなきゃ」というプレッシャーで家を出て駅まで来たものの嫌でしょうがない、という人だ。嫌でしょうがないけれど、今日休むと何言われるかわからないし、クビになるかも知れない。

クビになったら、もう明日からすぐ、生活がどうにかなってしまうかも知れない・・・と思いを巡らす、頭の良い人だ。

そんな悲観的な人は、ホームドアがあるだけで「ああ、これじゃ飛び込めないじゃないか」と諦めるらしい。


 いや、冗談じゃない。自殺に至る心理というのは悲観的なものだ。だから、自殺を食い止めるのも、その悲観的な心理に訴えるべきなのだ。ビルの屋上には「この高さじゃ死ねない」と貼紙をしようぜ。



 そもそも、自殺を食い止めるべきか、という問題はある。生きるのも死ぬのも、個人の意思でどうにかなるもんでもない。死ぬしかない時は、ある。

フリーペーパー「ポンコツ新聞」でネタにしたけれど、世界中で年間80万人の自殺がある。そのうち、日本では3万人以上。「日本人は自殺しやすい」というのは数字に表れている。日本人は遺伝的にセロトニンが弱い、という研究も読んだことがある。

セロトニンの弱さ、つまり悲観的な性質は、勤勉さや真面目さといったポジティブな面にも効いているんじゃないか。その反面、思い詰めて死を選ぶ人がいる。


 死を選ぶのは自由だけど、手段や経緯によっては、遺族や周りの人の迷惑なのよ。だから、もういっぺん書くけど、ビルの屋上には「この高さじゃ死ねない」と貼紙をしようぜ。

2017-07-02

ポンコツ新聞、撒き始めました。

 フリーペーパー「ポンコツ新聞」の新しいのを刷り終わって、設置いただけるお店に配り始めた。





 写真のものを含めて、今回は4種類をいっぺんにネタを作って、描いて、刷って、設置する、というのを試みた。

設置をお願いしているお店にも、4種類をいっぺんに少量ずつ置いていただいている。

同時並行で制作することで、効率はだいぶ良かった。「面倒くさい部分」が圧縮されて、よい感じ。原稿をスキャンするとか、試し刷り、校正、印刷、郵送など。


ポンコツ新聞は不定期刊で年間6本を目標にしていたけれど、2017年分は達成した。

この後の期間は、ドン・キホーテの翻案と、音と動画の制作に充てる予定。

2017-07-01

休日の夕方、駅員のおじさん

 夕暮れ時のアナウンスが一番楽しそうだ。





 休みの日の夕方、映画を観に出かける時に見る風景だ。

駅員のおじさんの挙動が、平日の通勤ラッシュや混雑時と違う。

駅員のおじさんは、電車を長く、目で追う。指差し確認の動作が優雅にすら見える。アナウンスの声はトーン低く、節回しも遅い。



 サバンナにいる、ライオンの仕草を思い出す。

交通インフラを支える仕事をしている、「何もしていないように見えても、私は群れを司っているんだよ」という誇りのあらわれだろうか。

2017-06-24

あざらしの寝姿

 彼の寝姿は「面従腹背」。





「川の字になって寝る」とよく言うが、真ん中の彼は意図してか、しないでか、ひねくれている。


奥で寝ているやつのことを好かないから、お尻を向けて、視野に入らないようにしているのか。


それか、手前のやつにモーションをかけやすい体勢をとっているのか。腹を見せて無防備なところを見せているのか。

2017-06-17

新宿駅

 新宿駅は、みんなお洒落をして、くたびれた顔で帰路につく。






これから出勤のお姉様、おネエ様方がいらっしゃる、少し前の時間。

新宿駅は、帰路につく人ばかりだ。

買い物とか、デートとか、映画とか、飲み会。あるいは、仕事、商談、接待。



 服には、朝なかった皺がついている。髪型や化粧も褪せている。何より違うのは、人の歩き方、姿勢だ。肩の位置が下がり、足を上げずに歩く。

家に帰ってシャワーを浴びる前の、一番くたびれた顔が新宿駅に集まる。

ちょうど、食堂の食器を流すベルトコンベアみたいな光景だ。



 この写真を見返す時、おれは自分の体調の良し悪しがわかる。

体調の悪い時は「みんなヘトヘトにくたびれて、街から遠い我が家に帰るのだ」と思う。

体調の良い時は「さんざん遊んで、帰って休もうね」と思う。

2017-06-13

父の亡霊を探して

 10年前に死んだ父の亡霊を探して、知らない町を歩いた。

言ってしまえば、それだけの事を文章に書いた。その日の夜、書きつけたものに、現像した写真をつけた。

ごく私的な、はずかしい話なのに、いてもたってもいられず、恥さらし。




 kindle unlimitedに加入している人は無料で読めますし、時々、無料配布もやるので読んでください。

2017-06-10

ツツジ

ツツジの狂い咲き。生殖の為に、咲き競い、恥じらいもなく誘惑する。







 花が咲き誇っているのを見て圧倒されるのは、そういう事だろう。生殖にかける気迫の凄さと、その誘惑の強い刺激。

生命と同時に死も匂うから、人間なんか怖気ついてしまう。

それを尻目に、ツツジは恥じらいなく咲く。その舞台は、自動車道路脇のちょっとした植え込みだ。場所も選ばず、置かれた場所で見事に咲く。



 これを人間がやったら、どうなるんだ。今だったら警察に捕まっちゃうのか。これを何重にもオブラートに包んで、人間は日常生活しているわけだ。

五社英雄の映画を思い出す。フィクションの世界で、人が花のようだった。逆に言うと、人間のようで、現実世界で見たことのない人ばかりだ。

だから憧憬するし、オモシロイ。じゃあ、何で日常生活で実際にやらないのか。やっている人がいるのを、おれが知らないだけかな。

2017-06-03

まるかいてちょん、の美しさ


円と直線の組み合わせは美しい。これは、もしかして、当たり前のことを言っているだけだろうか。

円と直線以外にも、多角形、曲線、点がある。そのなかでも、円と直線の組み合わせは格別だと思う。


人間の視覚を司る脳には、決まった視覚刺激に反応する細胞があると聞いた。おばあちゃんを見た時だけ反応する「おばあちゃん細胞」とか。

人間の脳には、円と直線に反応する細胞が、他に比べてたくさんあるんじゃないか。

それぐらい、目を惹きつける魅力がある。


円と直線の組み合わせは、隠語でもある。プリミティブな下ネタを表現するには、円と直線だけあれば十分。

2017-05-30

新文芸坐から帰る時、左右を見渡す。




 新文芸坐から帰る時、左右を見渡す。おれは、安上がりな男だな、と思う。夜遊びの種類はたくさんある。それなのに、おれは入場料1,000円ちょっとで幸せになれる。


 新文芸坐は、入場料の一番安い天国だ。

しかも2時間で現実に引き戻してくれる。

2017-05-29

貴方はもう二度と、彼女とすれ違うことはない。

 

街に住む人間の行動範囲なんて、たかが知れているものだ。よく使うバス停、駅。そんなもの、たかが両手に収まる数しかないだろう。それを利用する時間帯も似通っているはずだ。

それでも、どこに行ってもヒトゴミがある。ヒトゴミというひどい名称がつくぐらい、人を人とも思えない物体として、そこにある。人として認知するに及ばない、物体。

よくもまあ、これだけ見覚えのない人とすれ違うもんだ、と思う。



オスに生まれるとは情けないもので、綺麗な女性や優しそうな女性を見ると目がいってしまうものだ。ヒトゴミの中でもそう。すれ違いに、綺麗な人だな、とかどんな人なんだろう、って思う。

それでも不思議なことに、後からまったく思い出せないんだなあ。オスの多情は刹那なのか、美人は印象に残らない。繰り返し思い出すのは、顔面に特徴のある、言い換えれば少しブチャイクなひとのことなのだ。



だから、鏡を見て落ち込んでいる女性がいたら、おれの代わりに「それがいいんだよ!」と言ってやってくれ。少しばかりブチャイクだからこそ、オスの気を惹くのだ、と。そんでもって、美人に見える角度とか瞬間にオスは興奮するし、記憶に残るし、愛着が湧くのだ。



とは言っても、「他人から、こう見えているにちがいない」って見ることができるのは、自分だけ。人間に生まれた以上、自分の視線に苦しめられるのは、いたしかたないのかもね。ガマの油。


それに、コンプレックスを感じている人の姿はキュート。電車の中で化粧している女性を見ると、おれは得した気分になる。


「ああ、ショボくれた目がコンプレックスなんだ」とか
「唇の薄いの気にしてるんだ」とか
「ニキビ跡が気になるんだ」とか、わかるから。


電車で化粧している本人は「こいつらに見せる為の化粧じゃないから」と思っているのかも知れないけれど、好きな異性の前でこそ、コンプレックスを表明したほうがいいと思う。そっちの方が、気を惹くぞ。

桜の公園

ピンクのじゅうたん